「墨絵柄の布をつくる」
一点一点の本紙作品を描いていた私にとって、
それはワクワクする新しい挑戦でありました。
墨の色にこだわるあまり何度も刷り直していただき、グレーと黒だけの柄なのにいくつもの版をつくっていただいたり、と、数々の我儘を押し通して出来上がったモノは私が描いた原画と寸分たがわない色で仕上がりました。
墨の色を驚くほど再現してくださった関西の捺染の伝統技術の懐の深さをただただ感じています。
日本人は他に比べ「黒、鼠色」を感じる色の感覚が鋭いと言われています。
黒髪、黒い瞳を持っている由縁であるということです。
日本の古代色の色名の中には黒だけでも「黒」「漆」「濡羽色」…と数種類あり、鼠色のバリエーションに至ってはさまざまな色味をおびた鼠色があります。
墨もまた、淡墨の色を楽しめば無限です。
そのような黒のなかにある豊かな色の奥行を出せるのは墨ならではの特徴であると思います。
こうして出来上がった布を「Sumihiko(墨彦)」と名付けました。
どうか、墨の風合いの奥深さを手に取っていただければと思います。
墨アーティスト イマタニタカコ
For me who was drawing a piece of book paper work one by one,
That was an exciting new challenge.
I have reprinted so many times that I'm stuck with the color of ink, and you have to make several plates although it is only a pattern of gray and black, and the thing that pushed through a lot of us is the same as the original picture I drew Finished with no color.
I just feel the depth of the traditional Kansai dye technology that has surprisingly reproduced the color of ink.
Ink is also endless if you can enjoy the color of the ink.
I think that the ability to bring out the depth of rich colors in such black is a unique feature of ink.
The cloth thus finished was named "Sumihiko".
I hope you can take in the depth of the ink texture.
Calligrapher TAKAKO IMATANI